
少子高齢化が深刻な社会問題となる中、介護業界は慢性的な人手不足という課題に直面しています。その大きな原因の一つが、身体的負担による「腰痛」です。
東京都世田谷区にある特別養護老人ホーム「砧(きぬた)ホーム」(社会福祉法人友愛十字会)では、スタッフの腰痛対策と離職防止を目的に、株式会社イノフィスの「マッスルスーツ」を導入。「Exo-Power(エクソパワー)」と「Soft-Power(ソフトパワー)」という2つのモデルを効果的に使い分けることで、驚くべき成果を上げています。
今回は、施設長の武井様、介護副主任の三浦様をはじめ、現場で実際に活用されているスタッフの皆様にお話を伺いました。


(左:武井施設長、右:三浦副主任)
【課題】「腰痛で辞めてしまう」負の連鎖を断ち切りたい
導入以前、砧ホーム様では腰を痛めたことによる欠勤や、それをきっかけとした退職が年に1〜2名発生していました。職員数が減少傾向にある中で、腰痛を理由に貴重な人材を失うことは施設にとって大きな痛手でした。
「長く働ける職場環境を作りたい」
そう考えた同施設では、移乗ボードやリフトなどの福祉用具に加え、スタッフ自身の体を守るアシストスーツの導入検討を開始しました。
【選定理由】「装着の手軽さ」と「持ち運べる自由度」
電動タイプを含む複数の製品を比較検討した結果、マッスルスーツが選ばれた決め手は「使いやすさ」でした。
- 装着が簡単: 忙しい業務の合間でもサッと装着できる。
- 持ち運びの自由: リフト等の設備と異なり、背負ってしまえば居室や食堂など必要な場所へ自由に移動して使い続けられる。
- コストパフォーマンス: 予算内で複数台導入しやすかった。
【導入効果】腰痛による欠勤がゼロに。現場を変えた「使い分け」
現在、砧ホーム様では外骨格型の「Exo-Power(及び旧モデルEvery)」と、サポーター型の「Soft-Power」を合計10台以上導入。スタッフの半数が日常的に使用しています。
導入後の最大の変化は、「毎年のようにあった腰痛による欠勤がなくなった」ことです。
この成果を支えているのが、業務内容に合わせた2機種の使い分けです。
1. 強力アシストの「Exo-Power」は移乗・排泄介助に
中腰姿勢が続くおむつ交換や、ベッドから車椅子への移乗介助など、腰への負荷が大きい作業には、パワフルな外骨格型モデルを使用しています。

2. 動きやすい「Soft-Power」は入浴介助・狭い場所へ
一方、浴室やトイレといった狭いスペースでの介助には、サポーター型のSoft-Powerが活躍しています。以前の外骨格型では「狭くて動きにくい」と感じていた場面でも、Soft-Powerなら装着したままスムーズに動くことができます。

【運用の工夫】「使いたい時にすぐそこにある」環境づくり
導入当初は「サイズが合わない」「調整が面倒」といった課題もありましたが、個人専用機を割り当てて調整の手間をなくしたり、使用頻度の高い場所に保管スペースを設けたりと、運用面での改善を重ねました。
現在では、Exo-Powerは利用者の移乗導線上に、Soft-Powerは浴室横にと、それぞれの活躍場所にセットで配置されています。


現場スタッフ様の声

「一度着けるとやめられなくなりました」
排泄介助やベッド上の介助で一番効果を感じます。夜勤の排泄介助は10人くらい連続することもありますし、中腰になることが多いので、食事介助以外は基本的に着けっぱなしです。Exo-Powerは以前のモデルより歩きやすくなり、腿パッドを外す手間もなくなって助かっています。(サブリーダー 木村様)
「マッスルスーツは心の安定剤です」
Soft-Powerはずっと着けていても負担にならず、身軽に動けます。トイレ介助など狭いスペースでも作業できるので重宝しています。負担の大きい介助が必要なときはExo-Powerを使うなど使い分けをしています。マッスルスーツをつけることで自分も安全に仕事ができ、利用者様も安心なのでWin-Winだと思います。(職員 捧様)

最初は「本当に効果があるの?」「邪魔にならない?」と不安を感じていたスタッフも、実際に体験することでその効果を実感し、今では「マッスルスーツがなくては困る」という声が上がるまでになりました。
介護現場の深刻な課題である腰痛と人手不足。砧ホーム様の事例は、マッスルスーツの適切な機種選定と運用が、スタッフを守り、長く働ける環境づくりに直結することを証明しています。

