農業は体が資本の仕事。自然の中でおこなう作業は長時間におよぶこともあり、体の健康は大切ですが、作業の多くは力仕事で腰への負荷が大きいことから、多くの農家は身体的負担に悩まされています。
今回訪れた、茨城県ひたちなか市で農業に従事するさつまいも農家の飛田さんは、長年腰痛に悩まされてきたひとりです。さらに家族経営の農家のため、「もしもケガをしたり体調を崩したりして長い期間、仕事を休むことになると、即収入源がなくなる」という不安を抱えていました。そこで腰への負荷を軽減し、作業の省力化を図るためにマッスルスーツを導入しました。
飛田さんは、具体的にどのような悩みや課題を抱えていたのか。またマッスルスーツは仕事にどのような変化をもたらしたのか。マッスルスーツ導入の経緯やメリットについて、伺いました。
▼ご利用中のマッスルスーツ:ソフトフィットMLサイズ
農作業の省力化を実現。個人農家を支えるマッスルスーツのメリットとは?【さつまいも農家 飛田様】
課題は省力化。30kgを1日400回上げ下げ、人に頼る作業の限界
―― 実際の作業内容と、抱えている悩みについて教えてください。
家族経営の農家としてさつまいもを栽培しています。収穫時は、夫婦ふたりと男女4名ほどのお手伝いさんを雇い、収穫に当たります。畑で収穫したさつまいもを収穫用コンテナやケースに入れてトラックに積み込み、倉庫で積み下ろす作業があります。コンテナは、ひとつ約30kg。繁忙期にはこのコンテナを積み込みで200回、積み下ろしで200回、1日に合計400回の上げ下げ作業をおこなうこともあります。
当然、私が一番つらい作業をやらないと、お手伝いさんの信頼を得ることもできません。ですから率先して力仕事をやるのは当たり前のことなのですが、腰への負担が大きく、腰痛が慢性化し、整形外科に通院しては痛み止めの注射をうってもらい、薬を飲みながら仕事をしていました。腰を伸ばして歯磨きもできないほどつらい時期もありました。
それくらい腰痛は深刻な状態でしたが、仕事を休むわけにはいかず、だましだまし、腰をいたわりながら仕事を続けてきました。
―― 飛田さんは茨城県の特産品でもある干し芋の加工もされていますねが、そちらの作業でも使用されていますか?
はい。畑で収穫したさつまいもをふかし窯に運び入れて蒸していくと、さつまいもは収穫時よりも水分を多く含んで重くなり、そのケースが1つあたり40kgほど。ですから干し芋に加工する際の持ち運ぶ作業は、収穫時よりもさらに重労働になります。
一時期は、この干し芋を加工する工程がとてもきつくて、もうできないな、と思って。原料のまま投げ売りせざるを得なくなって、本来あるはずだった収入がなくなってしまったこともありました。
導入の決め手は、パワーと使いやすさ
―― 導入の決め手は何ですか?
特に私たちのような個人農家の場合、腰痛などで仕事ができなくなると、ダイレクトに収入にも影響するため、作業の省力化は大きな課題です。作業負担を軽減してくれるアシストスーツというものがあるというのは知っていて、 、マッスルスーツにたどり着きました。マッスルスーツ以外にもいくつか候補はありましたが、導入の決め手となったのは、そのパワーと使いやすさでした。
―― パワーと使いやすさについて、具体的に教えてください。
購入する前に一度、装着させてもらって30kgほどの米袋を持ち上げてみたのですが『おっ、(楽に)上がるなあ』って。これならばだいぶ仕事を省力化できると、確信を持って導入することを決めました。大きな設備投資することなく、比較的手軽に環境を改善できることもポイントですね。
また、農作業で使用する上で絶対条件となるのが、水やホコリがかぶっても問題ないこととメンテナンスの簡単さ。電動式のアシストスーツは、どうしても充電が必要になり稼働時間に縛られますし、また壊れやすいという懸念が否めません。その点、マッスルスーツは防水・防塵に加え、電気でなく空気で動くため軽く、さらに着脱が30秒程度でできるなどの利便性に魅力を感じました。
最大のメリットは「収入の安定」。精神的な安心も
―― 実際にマッスルスーツを現場で使用し始めて、どのような変化やメリットを感じられましたか。
最大のメリットは、収入面の安定です。実際に腰への負荷が軽減でき、作業が省力化されたことで、長く作業をしても腰痛が悪化するようなことがなくなりました。その結果、一時期中断していた干し芋の加工作業も再開し、収入が安定してきました。
また体のラクさはもちろんのことですが、体への負担が軽減されたことで『この先、健康に仕事を続けられるのだろうか?』という不安感が解消されたことも大きいように思います。ケガすることは個人農家にとってはダイレクトに収入減につながるので、その不安が少しでも解消できたことで安心して作業に打ち込めるようになり、精神的なゆとりも少しできたように感じています。
健康で長く作業を続けられることで生活が安定するように
近年、スマート農業などのIT化が進む中で、多くの作業は省力化され、生産性は確実に高められています。しかし、収穫物の積荷や、出荷作業など、手作業に頼らざるを得ないハードな作業もあり、腰痛は多くの農家にとって深刻な悩みです。
飛田さんは、「私たちのような個人農家は、生活を守るという意味でも、ケガや病気をせず、長く健康でいることがとても重要です。マッスルスーツを導入したことで、そのことをあらためて再認識した」と言います。身体的な負荷軽減を通して長く仕事を続けられるようになったことが不安を解消し、家族の生活の支援にもつながったようです。
「どうしても作業に夢中になっていると、不用意に重いものを持ってしまったりするのでそういうときにアシストスーツを着けていると、お尻を押してくれるような感じになるので、ケガをするリスクが減るんじゃないかなと思っています。作業中の安心感を得るためにも、これからもマッスルスーツを使い続けていきたいと思います。」
そう語る、飛田さん。これからも身体的な負荷軽減を通して長く仕事を続けられるよう、マッスルスーツは頼れるパートナーでありたいと思います。