きれいな野菜を届けるために。慢性的な腰痛に悩む農家がたどり着いた「着る筋肉」【白菜農家 油井様】

腰痛対策のためマッスルスーツを着用する白菜農家の油井さん

「箱を開けた瞬間にきれいと思ってもらえる白菜を届けたい」、そう話す長野で白菜農家を営む油井さん。身体への負担が大きい箱詰め作業をほとんど1人で担っています。「あと30年続けることを考えると、このままではまずい」と考え、マッスルスーツを導入されました。

導入後、身体にどのような変化を感じているのでしょうか。使用開始のきっかけや使用後の率直な感想について、お話を伺いました。


▼ご利用中のマッスルスーツ:ソフトフィットMLサイズ

最盛期は毎日10トン収穫、蓄積される疲労の解消法を探して

広大な白菜畑。多いときは1日10トン収穫される

――まずは毎日どのようなお仕事をされているか教えてください。

農家の仕事はもう34年目になりますね。昔はレタスを主に作っていましたが、5年くらい前から白菜に転換しました。

収穫作業は夜中の2時、3時から始まって、午前10時くらいまでかかります。6月の下旬から11月の上旬ぐらいまでほとんど毎日。そのあとは収穫したところに次の植え付けをしたり、植樹作業をしたり。


――少し聞いただけで、とてもハードなお仕事なのが伝わります。収穫量は1日どれくらいになるのでしょうか?

毎日500ケースくらい、収穫、箱詰め、運搬の繰り返しです。収穫しかしない秋ごろは、1日1000ケースいくこともあります。白菜は1玉3キロ近く、ケースは1つ15キロくらいあるので、ウェイトトレーニングみたいな…その域も超えてるよね。


――30年以上農家をされていて、腰への負担も蓄積されていると思いますが、腰痛は昔からありましたか?

そうですね。昔、レタスを作っていたときから…レタスはここ最近でいい苗の作り方ができてきて、1玉の大きさが揃うようになったから座って収穫できるんですよね。でも昔はそうはいかなくて。

種や品種によって大きさが不揃いになるので、(畑にできた作物を)まばらに収穫しないといけなかったんです。そうすると座ることもできないし、中腰の姿勢がずっと続くので疲労も蓄積されて、腰痛に悩まされるようになりました。


――ひざ痛や腰痛には、ご自分でなにか対策をされていましたか?

どうしても痛いときは整体に行くこともありましたが、基本的には腰痛ベルトを巻くだけでした。ないよりはあった方がいいとは思いますし、医師にも腰痛ベルトをした方がいいと言われたのですが、夏場は蒸れてあせもができたりかぶれたりすることもあって。

仕事は毎日あるので、ずっと巻いておくのは大変だし不快なんですよね。でもマッスルスーツはそういうことがないからいいなと思ったんです。

お客さんにきれいな白菜を届けたい。野菜の見た目は「商品の顔」

中腰での箱詰め作業は1日6時間にもおよぶ

――マッスルスーツを使う前は、とくにどのような作業を負担に感じていましたか?

とくに白菜の箱詰めかな。ひざ上くらいの高さがある箱に収穫した白菜を入れるために、中腰の姿勢を5、6時間も取り続けるんですね。同じ姿勢を続けるのって相当大変で。

シーズン中の数ヶ月は、トータルで1日13、14時間くらい休む間もなく働くので、疲労もどんどん蓄積されていくんです。その時期になると10キロくらい痩せちゃうの。

たとえばプロ野球選手は、シーズン中は毎日試合をしているけどオフになるとしっかり休みますよね。疲労を抜かないとぐったりするから。でも、私たちはそれができない。野球選手は休めるし引退できるけど、私たちはできないんです。


――箱詰めの作業は油井さん1人で行っているんですか?

今年から息子も入っていますが、まだ私が主にやっていますね。医師にも「無理しすぎ」と言われるので、ほかの人に任せられたらいいんだけど…。箱詰めって、白菜に虫食いがないか、大きさはそろっているかと確認しながら作業しないといけないので、ある程度経験がないとスムーズに、かつきれいに詰めるのは難しいんですね。

商品だから、市場でお客さんが箱をあけたときにくしゃくしゃになっていると買わないじゃないですか。スーパーでもきれいな野菜を選びますよね。お客さんの目に最初に入る部分だから、すごく大切な作業なんです。


――きれいな野菜を届けたい、となるとどうしても人の手を入れざるをえない部分なんですね。

機械で収穫するところもあるんだけど、やっぱり刈り取って箱に詰める作業でどうしても手作業は必要になります。部分的には機械化できても、結局人の手は入れざるをえないところはあるよね。


――かなり身体を酷使する働き方だと思いますが、不安はありませんでしたか?

当然(あるよ)。私たちくらいの年代の人は、農業の世界に入った時からすごい忙しかったけど、こんな働き方が当たり前って感じでした。だから年を取ってくるとあちこちガタが出てきて…これからも農業を続けていく上で不安はありました。

うちの婆さんなんて80くらいまで働いてくれてたけど、それを考えるとあと30年もあるなって…


――現役で働く就業年齢が長いのも農家さんの特徴ですよね…そんな状況の中、マッスルスーツを導入しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

いつも収穫作業中に聴いているラジオで、たまたま耳にしたのがきっかけですね。ペットボトルが20本入った箱を持ち上げられるって言ってるからほんとかな、と思って。一緒に作業してた人が「これ浜ちゃんやってるやつかな」と言うからスマホで検索したら…おお!って。笑

1年2年というスパンじゃなく、まだこの先何十年も続けていかなきゃいけないから、そのとき助けになればと思って、即決で購入しました。このとき、野菜が高く売れてたからいいや買っちゃえって。

70、80歳まで働くのが普通。だからこそ、先を見据えて

はじめは手こずった装着も、今では体に馴染む

――使いはじめのころの感覚はいかがでしたか?すぐに身体になじみましたか?

最初3日くらいはすごい違和感があって…。つけ方も調整しながらじゃないとできないのでちょっとやりづらいなと感じたんだけど、せっかくあんな高い金出して買ったんだからちょっと我慢して使ってみようって思って。

そのあと雨が降った日があって、マッスルスーツが泥だらけになるといやだなと思ったので外して作業したんです。そしたら、結構疲れちゃうな、全然(つけていると)違うんだな、っていうのを感じられて。それからは雨降ってもつけてる(笑)


――実際使ってみて、どんな効果を感じられましたか?

ずっと中腰で作業していても、長時間支えてくれる感覚があるので疲労感が少ないんですね。そのぶんずっと同じスピードで詰められるので、作業効率も上がっていると思います。マッスルスーツを使う前は、作業はじめの1、2時間は早いスピードで詰められるんだけど、そのあとは疲れてスピードが落ちていたので。

それからこれまでは、作業が終わると動けないし、横になると起きるのすらきついこともありました。マッスルスーツを使いはじめてからも疲れはするんだけど、動けない、ということはなくなりましたね。

これからシーズンを通してだったり数年後だったりと、時間が経つにつれ体への違いが出てくると思います。


――使い勝手はいかがでしょう?農家さんならではの、ここがよかったというポイントはありますか?

動力を使っていないっていうのが一番。毎日使ってたら充電とかめんどくさいからね。雨が降ったり濡れたりしたときの故障の心配もないし。

それから、補助力を空気の量で細かく調整できる点もいいと思います。空気の力って天気によって変わるから、晴れてると空気が膨張してきつくなるから(空気を)抜いて、寒い日はちょっと弱くなるからから入れてって。


――そこまで使いこなしていただいて、ありがたい限りです。今後こんな風に使っていきたいという思いや、まだ使ったことのない方におすすめする理由などお聞かせいただけますか?

マッスルスーツを使っていて調子がいいのはわかったので、一軒に複数台導入できるように低価格化されるとうれしいですね。重いものを運ぶ用、箱詰め用など、役割ごとに使えたらさらに作業効率が上がるように思います。

若いうちはそんなに体への負担を実感することはないと思いますが、30年以上やっているとガタが出てくるんですよね。農家の仕事は現役時代が長く、70、80近い人がやるのも普通。だから若い人こそ先を見据えてマッスルスーツを使った方がいいのではないかと思います。

この記事を友達に紹介する

こちらの記事もおすすめ

キーワードで探す