食品の現場は想像以上に重労働。従業員の働き方改革の一手に【ヨシケイ東埼玉】

全国各地で食材(ミールキット)の宅配サービスを展開するヨシケイグループのフランチャイズとして、埼玉県東部を中心に事業をおこなっているヨシケイ東埼玉。同社は従業員の9割が女性で、倉庫内作業者においては平均年齢が60歳近くなる。倉庫に日々運び込まれる食材の運搬などが多いため、常に肉体的負荷による身体の故障に関する心配がつきまとうという課題を抱えていました。

従業員の負担を軽減し、労災リスクを低減するために同社が2021年3月から導入したのがマッスルスーツです。実際に現場の作業に導入してどんな効果が得られたのか、今後どのように活用していきたいのか。同社の代表である前川将樹さんと、商品部課長の山本屋さん、商品部の戸崎さんにお話を伺いました。


▼ご利用中のマッスルスーツ:ソフトフィットMLサイズ

1日300箱の食材を運搬、食品を扱う現場は想像以上に重労働

――マッスルスーツを導入しようと考えたきっかけは何だったのでしょうか。

前川 最初のきっかけは、ヨシケイグループの関東地区フランチャイズ6社が共同出資して設立したベジフレッシュという会社の役員会です。ベジフレッシュではカット野菜の加工・販売を行っているのですが、重量のある野菜の運搬や上げ下げ作業が従業員の体に負担になっているという話が出て、何か解決策はないだろうかと考えました。

山本屋 ヨシケイ東埼玉も同様にこの問題を抱えていました。現場作業者の平均年齢は60歳近くになり、高齢化が進んでいます。若いスタッフを育てていきたいという気持ちもありますが、会社の立地が駅から遠く通勤が不便なこともあり、なかなか新しい人を採用できないという問題もありました。ですので今いるスタッフにできるだけ長く働いてもらうため、何か手を打たなければという思いがありました。

――現場ではどのような作業をおこなわれているのでしょうか。

戸崎 私は商品部で商品管理の業務を行っています。荷受けや管理、仕分けなど、1日の業務のほとんどが力仕事です。たとえば、野菜やお肉、お魚などの商品が毎日届きます。業務用サイズで来るので、荷物の重さはかなりのものです。これらの商品が入っている20kgくらいの箱を台車から下ろしながら仕分けし、所定の場所へ搬入します。1日で箱を300個くらい上げ下げすることもあります。

さらに、搬入が終わったら、箱を洗浄して翌日使用する保冷剤を箱いっぱいに詰めて冷凍庫にしまいます。1箱30kg以上あり、それを縦に4段くらい積み上げていくので、かなりの重労働になります。

――腰への負担は大きそうですね。

戸崎 そうですね。もともと腰痛持ちということもあり、かなりの負担になっていました。整体に通ったり、湿布を貼ったり、痛み止めを飲んだりして、何とかやってきたという感じです。

――なぜ解決策としてマッスルスーツを選ばれたのでしょうか。

前川 実はイノフィスの社長と私は同じ大学の同級生で、彼がマッスルスーツというものを販売しているという話も何となく知っていました。従業員の負担をどう減らすかを話し合ったときに、ふとそのことを思い出したのです。そこでイノフィスさんに連絡をとり、今年の2月にデモ機をお借りして使わせていただいてから、3月に正式に購入しました。

――現場のみなさまはマッスルスーツについてはご存知でしたか。

山本屋 マッスルスーツのことは知っていました。ですが、高価なものですし、弊社で使うとは考えもしませんでした。

――そうした中、購入に踏み切った理由は何だったのでしょう。

前川 購入の決め手になったのは新型コロナに関する助成金です。マッスルスーツが埼玉県吉川市の助成金対象になるという話があり、いいタイミングだと考えて購入に踏み切りました。

――導入を決めたことに対して、社員の方の反応はいかがでしたか。

山本屋 最初はやはり懐疑的な声もありましたね。マッスルスーツを購入するなら、その分の費用を社員に還元したほうがいいんじゃないか、とか。でも、まずは1台導入してみようということになりました。

作業負担が大幅に軽減、耐久性高く冷凍庫内の厳しい環境での使用も安心

――実際に使用してみて、どう感じましたか。

戸崎 期待通りの効果がありました。荷物を下から持ち上げるとき、肩の後ろから誰かが強力に引っ張ってくれるような感覚があるんです。マッスルスーツを使い始めてから、明らかに腰痛が軽減されたことを感じました。それまでは帰宅しても腰が痛くてすぐ横になったりしていたのですが、今は帰宅後も無理なく家事ができますし、私生活の面でも楽になったと感じています。

山本屋 私も現場の仕事をすることもあるのですが、マッスルスーツを装着してみて、こんなに楽になるんだ! と効果を実感しました。マッスルスーツを導入して以来、現場からは腰が痛い、つらいといった声が出ていません。それが一番の導入効果だと感じています。

――マッスルスーツのどんなところがメリットだと感じますか。

山本屋 一番のメリットは電源が不要だということですね。また、耐久性も高いので現場の近くに保管しておけます。冷凍庫内での作業も多いので、耐低温性が高いところも大きなメリットです。

――マッスルスーツを導入したことで、職場に変化はありましたか。

戸崎 負担が少なくなったことで笑顔が増え、現場の雰囲気が明るくなったと感じます。作業がスムーズにできることで、仕事のモチベーションアップにもつながっています。

福利厚生の一環として、採用活動での効果にも期待

――今後、マッスルスーツをどのように活用していきたいですか。

前川 まだ購入したばかりということもあり、現場のスタッフ全員にはまだ試してもらっていません。今後は使用するスタッフをさらに増やしていきたいですね。

戸崎 今はいいですが年齢を重ねると、将来はもっと力仕事がきつくなっていくと思います。食品の現場にいる限り、この身体を使った仕事はなくなることはありませんから、マッスルスーツを使うことで負担を軽減して、現場のみんなが無理なく作業できるようになったらうれしいです。

前川 現在は一部の作業だけで使っていますが、他のシーンでも役立つでしょうね。

山本屋 弊社はスタッフの9割以上が女性です。ですから、男性目線では気づかない女性スタッフの負荷も軽減できるのではないかと期待しています。たとえば、ヨシケイではお客さまにメニュー冊子を配布しており、スタッフ1人あたり80冊ほどを担当しています。冊子の束を運ぶときマッスルスーツがあると、かなり助かるのではないかと思いますね。

前川 マッスルスーツにはこういう作業が合うね、ということを社内で共有しながら、トライを繰り返して、いい形に持っていきたいですね。

山本屋 それから、マッスルスーツは採用にもメリットがあるのではないかとも考えています。

弊社の場合、会社が駅から離れているという立地の関係で、求人を出してもなかなか人が集まらないという現状があります。そこで、マッスルスーツのような業務のサポートツールを福利厚生として完備しているということを、弊社の魅力の1つとして打ち出しています。働きやすさの整備を進めることで、長期的に見て人が働きたいと思う職場づくりにつながることを期待しています。

――ほかのヨシケイグループ各社からの反響はいかがでしょうか。

前川 すでにヨシケイのほかのフランチャイズでも何社かは購入したり、購入する方向で話が進んでいたりすると聞いています。彼らと話していても、今後はもっと社員満足度を高めたり、労災のリスクを減らしたりしていかないといけないという話題は必ず出ますからね。弊社の場合はその1つの手段として、マッスルスーツがマッチしたということです。

私が目指すのは、ヨシケイ東埼玉に入ってくれた人にいい形で長く勤めてもらえることです。マッスルスーツがその一助になってくれたらうれしいですね。

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